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プログレッシヴ・ロックと本を愛する3流プログラマーが"熟考せずに"適当に色々と書くブログ

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書評(自己啓発書):『自己暗示』 C.Hブルックス/E.クーエ 河野徹 訳(法政大学出版局) ☆☆☆☆★


「日々、あらゆる面で、私はよくなっています。」
(“Day by day, in every way, I’m getting better and better.”)


ということで、タイトル通り"自己暗示"について書かれた本。結論からいうと『ザ・シークレット』的な「引き寄せの法則」が書かれている。つまり、悪い考え方はやめ、自分に良い暗示を行うと、その通りになるというようなことだ。

しかしこの本では、薬剤師だったエミール・クーエが「誘導自己暗示法」として自己暗示法を確立し、それを用いて診療を行っていたことから、多くの治療例に基づき、理論的にそれが説明されていて興味深かった。といっても難解ではなく、本質的な部分もはっきりしているのでさらりと読めた。

自己暗示の有効性の背景として、意識と無意識についてまとめてみる。

無意識とは
 ・記憶の集積所:
   幼い頃から現在までの印象のいっさいが精密に記録されている
 ・力の貯蔵庫:
   われわれの生命を躍動させる力となる本能的な感情が位置する
 ・肉体的機能を観察:
   消化・吸収・血液循環・肺・腎臓などを調節

意識
 ・進化によって無意識の表層に生じてきたもの
 ・無意識の奔放なエネルギーを調節するもの
 ・理性・倫理観・自意識・芸術的感覚が位置する
 
つまりともすると人は"自分は自分のことをよく知り、意識的にコントロールしている"と思っているかもしれないが、実際には意識は無意識の"カサブタ"みたいなものに過ぎない。そしてこの2つの層は互いに作用しあっているという。そして意識→無意識という方向へ、良い作用を及ぼすことを目的とするのが自己暗示だという。

 P37
精神をかたちづくっているこれら二つの層は、たえず相互に作用しあっている。われわれの意識するいっさいのものが無意識の中で準備されているように、われわれの意識するいっさいの考えは下の層へ降りて行き、そこでわれわれ自身の一構成要素となって、無意識のエネルギーを用いながら、われわれの精神的・肉体的状態を監視したり、決定したりする役割を果たすのである。もしそれが健全なものであれば、それだけ結構なわけだが、病的なものであれば、それだけ困った事になろう。このように、ある考えをわれわれ自身の一構成要素に変形させてしまうことが、われわれのいう自己暗示にほかならない。


意識→無意識の影響の例として、
・暗い気持ちで街を歩いている時に明朗闊達な友人に会った時
 意識が快活さで占められる→無意識に影響を及ぼし、快活になる
・怪談話を聞いたり読んだりした後、夜、帰路につく子供
 意識が恐怖の状態になる→無意識の中で恐怖が現実化し、いつもの家路が恐怖の対象となる
・舞台負け
 観衆の前で上がってしまい、どもってしまう
などの身近な例が挙げられている。他にもエミール・クーエが実際に治療した患者の例などが載っている。結局のところ、誘導自己暗示というのは無意識は意識に知らず知らずのうちに影響を受けるので、悪い影響を避けて、良い影響を与えればいいという話だ。

ではどうすれば良いか。その最も単純で一般的な方法が、冒頭の句を朝晩20回唱えることだという。色々理論的裏付けを求めるより、こーゆーのは実際に実行するに限る。ということで最近行っている。何となく気分が良くなる気がする。
他にも子供を教育する時はどうするかなどが載っている。その時の処方箋も基本的には同じだ。


この本は1922年に出版された本らしく、古いが、でもその内容は全く色褪せてなく有益なように思われる。逆に現代のビジネス書的な"売らんかな節"が感じられないのが良い。正直内容は重複も多いが、それでも全部でP150程度なので冗長という程でもない。"意識と無意識"、それに対応する"意思と想像力"という視座も得られたし、とても有益で良い本だ。

ということでみなさん唱えましょう!
「日々、あらゆる面で、私はよくなっています。」
(“Day by day, in every way, I’m getting better and better.”)

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